「1500万個の台形の面積を計算する」
で,台形を計算する式が
「座標法」と呼ばれる。
$i=2, 3, 4$ を代入して
$S=\frac{1}{2}\{$
$(x_2-x_1)(y_3-y_1)$
$+(x_3-x_1)(y_4-y_2)$
$+(x_4-x_1)(y_1-y_3)\}$
となるが,特に$y$の番号は一つ飛ばしの引き算なのがなぞ。
これが台形公式の
$S=\frac{1}{2}\sum_{i=1}^{n}(y_i+y_{i+1})(x_i-x_{i+1})$ (ただし$n+1$を1に読み替える)
となり,(上底+下底)の$y$の番号は隣同士の足し算のはず。
点が4つなら,
下側の台形は$x_3-x_4$がマイナスになるので,ふつうに足せば引き算となる。
つまり
$S=\frac{1}{2}\{$
$(y_1+y_2)(x_1-x_2)$
$+(y_2+y_3)(x_2-x_3)$
$+(y_3+y_4)(x_3-x_4)$
$+(y_4+y_1)(x_4-x_1)$
と,$y$は隣同士の番号の和になる。
展開すると
$=\frac{1}{2}\{$
$x_1y_1+x_1y_2-x_2y_1-x_2y_2$
$+x_2y_2+x_2y_3-x_3y_2-x_3y_3$
$+x_3y_3+x_3y_4-x_4y_3-x_4y_4$
$+x_4y_4+x_4y_1-x_1y_4-x_1y_1\}$
プラスマイナスを消すと
$=\frac{1}{2}\{$
$x_1y_2-x_2y_1$
$+x_2y_3-x_3y_2$
$+x_3y_4-x_4y_3$
$+x_4y_1-x_1y_4\}$
「日本の国土の面積はどうやって計算する?」の式
$=\frac{1}{2}\{$
$(x_2-x_1)(y_3-y_1)$
$+(x_3-x_1)(y_4-y_2)$
$+(x_4-x_1)(y_1-y_3)\}$
を展開すると,
$=\frac{1}{2}\{$
$x_2y_3-x_2y_1-x_1y_3+x_1y_1$ ← $-x_1y_3+x_1y_1$
$+x_3y_4-x_3y_2-x_1y_4+x_1y_2$
$+x_4y_1-x_4y_3-x_1y_1+x_1y_3\}$ ← $-x_1y_1+x_1y_3$
矢印の同類項を消して,
$=\frac{1}{2}\{$
$x_2y_3-x_2y_1$
$+x_3y_4-x_3y_2-x_1y_4+x_1y_2$
$+x_4y_1-x_4y_3\}$
順序を入れ替えて,
$=\frac{1}{2}\{$
$x_1y_2-x_2y_1$
$+x_2y_3-x_3y_2$
$+x_3y_4-x_4y_3$
$+x_4y_1-x_1y_4\}$
台形から作ったものと同じになった。
さて,この式の中の
$x_1y_2-x_2y_1$
はベクトル $(x_1, y_1)$, $(x_2, y_2)$ で作られる平行四辺形の面積に符号がついたものだから,$\frac{1}{2}(x_1y_2-x_2y_1)$ はベクトル $(x_1, y_1)$, $(x_2, y_2)$ を2辺とする三角形の面積に符号がついたものとなる。(なす角の回転方向で符号が決まる。時計回りがマイナス)
なので,整理した式
$S=\frac{1}{2}\{$
$x_1y_2-x_2y_1$
$+x_2y_3-x_3y_2$
$+x_3y_4-x_4y_3$
$+x_4y_1-x_1y_4\}$
は三角形の面積の総和(重なった部分は負の数となり,引き算)ともいえる。
「座標法」で検索すると
$S=\frac{1}{2}\sum_{i=1}^{n}x_i(y_{i+1}-y_{i-1})$
が出てくる。ただし$i=0$のときは$i=n$,$i=n+1$のときは$i=1$ と読み替える。
点が4つなら,
$S=\frac{1}{2}\{$
$x_1(y_2-y_4)$
$+x_2(y_3-y_1)$
$+x_3(y_4-y_2)$
$+x_4(y_1-y_3)\}$
これも展開すると
$=\frac{1}{2}\{$
$x_1y_2-x_1y_4$
$+x_2y_3-x_2x_1$
$+x_3y_4-x_3x_2$
$+x_4y_1-x_4x_3\}$
順序を入れ替えて
$=\frac{1}{2}\{$
$x_1y_2-x_2x_1$
$+x_2y_3-x_3x_2$
$+x_3y_4-x_4x_3$
$+x_4y_1-x_1y_4\}$
三角形の面積の総和と同じになる。
図の格子は1×1 とすると,
「座標法」の例を見ると,次のような数表を作って計算するようだ。
$i$ | $x_i$ | $y_i$ | $y_{i+1}-y_{i-1}$ | $x_i(y_{i+1}-y_{i-1})$ |
1 | 5 | 2 | 5-1=4 | 5×4=20 |
2 | 4 | 5 | 3-2=1 | 4×1=4 |
3 | 1 | 3 | 1-5=-4 | 1×(-4)=-4 |
4 | 2 | 1 | 2-3=-1 | 2×(-1)=-2 |
倍面積 | 18 |
合計は倍面積の 18 なので,図の面積は9
4.123×2.668÷2=5.500 ($\sqrt{17}\times\frac{11}{\sqrt{17}}\div2$)
4.123×1.698÷2=3.500 ($\sqrt{17}\times\frac{7}{\sqrt{17}}\div2$)
面積9
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