この言葉で,検索された..
これで検索されたのは,ちょっと違う問題.>ブログ記事
ということで,解いてみる.
部分分数分解
まず,$\frac{1}{x^3+1}$ を部分分数に分解する.
$x^3+1=(x+1)(x^2-x+1)$ より
$\hspace{5mm}\frac{1}{x^3+1}=\frac{1}{(x+1)(x^2-x+1)} =\frac{a}{x+1}+\frac{bx+c}{x^2-x+1}$
となるような $a$,$b$,$c$ を見つける.
両辺を $(x+1)(x^2-x+1)$倍して,
$\hspace{5mm}1 =a(x^2-x+1)+(bx+c)(x+1) =(a+b)x^2+(-a+b+c)x+(a+c)$
これは恒等式だから,係数を比較して,
$\hspace{5mm}a+b=0$,$-a+b+c=0$,$a+c=1$
この連立方程式を解くと,
$\hspace{5mm}a=\frac{1}{3}$, $b=-\frac{1}{3}$, $c=\frac{2}{3}$
ゆえに,
$\hspace{5mm}\frac{1}{x^3+1} =\frac{\frac{1}{3}}{x+1}+\frac{-\frac{1}{3}x+\frac{2}{3}}{x^2-x+1} = \frac{1}{3}\left(-\frac{1}{x+1}+\frac{x+1}{x^2-x+1} \right)$
したがって,積分は
$\hspace{5mm}\int\frac{1}{x^3+1}\,dx =\frac{1}{3}\left(\int\frac{1}{x+1}\,dx +\int\frac{-x+2}{x^2-x+1}\,dx \right)$
と表せる.それぞれ,積分を分けて考える.
1/(x+1)の積分
$\hspace{5mm}\int\frac{1}{x+1}\,dx =\log|x+1|$
続いて2項目(-x+2)/(x^2-x+1) の積分
分母の $x^2-x+1$ の微分が $2x-1$であるから,分子の1次式の中にそれを作り出す.$x$の係数が2だから分母,分子を2倍して,
$\hspace{5mm}-\frac{2x-4}{2(x^2-x+1)} =-\frac{2x-1-3}{2(x^2-x+1)} =-\frac{2x-1}{2(x^2-x+1)}+\frac{3}{2(x^2-x+1)}$
したがって,積分は
$\hspace{5mm}\int\frac{-x+2}{x^2-x+1}\,dx = -\frac{1}{2}\int\frac{2x-1}{x^2-x+1}\,dx +\int\frac{3}{2(x^2-x+1)}\,dx \\ \hspace{5mm}= -\frac{1}{2}\int\frac{(x^2-x+1)'}{x^2-x+1}\,dx + \frac{3}{2}\int\frac{1}{x^2-x+1}\,dx \\ \hspace{5mm}= -\frac{1}{2}\log(x^2-x+1) + \frac{3}{2}\int\frac{1}{x^2-x+1}\,dx$
3項目1/(x^2-x+1) の積分
まず分母を平方完成すると,
$\hspace{5mm}x^2-x+1 = \left(x-\frac{1}{2}\right)^2+\frac{3}{4}=\left(x-\frac{1}{2}\right)^2+\left(\frac{\sqrt{3}}{2}\right)^2$
より,$x-\frac{1}{2}=\frac{\sqrt{3}}{2}\tan\theta$と置換すると分母は
$\hspace{5mm}x^2-x+1=\left(x-\frac{1}{2}\right)^2+\left(\frac{\sqrt{3}}{2}\right)^2=\left(\frac{\sqrt{3}}{2}\tan\theta\right)^2+\left(\frac{\sqrt{3}}{2}\right)^2\\\hspace{5mm}=\left(\frac{\sqrt{3}}{2}\right)^2(\tan^2\theta+1)=\frac{3}{4}\cdot\frac{1}{\cos^2\theta}$
したがって,$dx=\frac{\sqrt{3}}{2}\cdot\frac{1}{\cos^2\theta}d\theta$より,
$\hspace{5mm}\int\frac{1}{x^2-x+1}\,dx = \int\frac{1}{\frac{3}{4}\cdot\frac{1}{\cos^2\theta}}\cdot\frac{\sqrt{3}}{2}\cdot\frac{1}{\cos^2\theta}d\theta \\ \hspace{5mm} = \frac{4}{3}\cdot\frac{\sqrt{3}}{2}\int1\,d\theta = \frac{2}{\sqrt{3}}\theta = \frac{2}{\sqrt{3}}\arctan{\frac{2x-1}{\sqrt{3}}}$
したがって,
$\int\frac{1}{x^3+1}dx = \frac{1}{3}\log|x+1| - \frac{1}{6}\log(x^2-x+1) +\frac{1}{\sqrt{3}}\arctan{\frac{2x-1}{\sqrt{3}}}$
同様に 1/(x^3-1)の積分
$\int\frac{1}{x^3-1}dx = \frac{1}{3}\log|x-1| - \frac{1}{6}\log(x^2+x+1) -\frac{1}{\sqrt{3}}\arctan{\frac{2x+1}{\sqrt{3}}}$
(原始関数につきものの「積分定数」は省略しています.)
検算は微分すれば簡単.検索した人はこれをコピペして宿題を完成させればいいw
7/1 追記
「1/(x^2-x+1) 積分」
という検索後でヒットされた.ちょうどこのページに答えがある.きっとこれをコピペしたのだな.
>>積分の記事
連立方程式を解いて、a,b,cの値が出たのは良いのだけれど、
返信削除「ゆえに,」
の下の式の左辺の分子が1でなくてxになっているのはなぜでしょう?
それから、「分母の1次式の中にそれを作り出す.」
とあるけど、分子の1次式ではありませんか?
> xになっているのはなぜでしょう?
返信削除以前の記事の式をコピペしたとき,直し忘れたからw
http://kurobe3463.blogspot.com/2005/11/integration-of-xx31-on-0-to-infinity.html
> 分子の1次式ではありませんか?
そのとおり.すごい.
誰も読まないと思って,書いているのに,よくわかりましたね(爆
直しました.
これも,以前のページからコピペ.
つまり以前のページにも同じミスがあったので,そちらも直しました.
まあ、つまりそれ以外は分かっていないだけです。(爆)
返信削除なぜlogの絶対値?なぜarctan?そもそも積分の概念って何?
っていうレベルですから。(^-^;)
長くなったので記事にしてしまいました.
返信削除http://kurobe3463.blogspot.com/2008/06/question-on-integration.html
了解しました。
返信削除早速「解読」してみます。
なお、大学生の息子に向かって得意げに「この中に間違いが2つある。」と言って見せたら、
私が指摘した所以外の箇所を3カ所指摘していました。
「ゆえに」
の後の式と、その式の下の
「したがって、積分は」
の下の式です。
あ,ほんとだ.符号が2箇所間違っているのと,数字が2になってる.
返信削除くろべえさん、分かりやすい解説ありがとうございます!!!
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