2024年6月5日水曜日

推薦書

学力試験を受けずに,進学させてくれる推薦制度。
「学力以外の多様な個性を見て・・・」と実施されているが,少子化社会で定員充足に苦労する学校の多くが取り入れて,学生を集めている。
推薦を受けない者は,上を目指して一般選抜に挑戦するのと,推薦基準に満たさずに推薦を「受けられない」者に二極化する。

大多数の生徒が推薦で進学する学校の担任は大変で,30人以上の推薦書を書く羽目になる。
教員の負担軽減の目的で,「推薦書を統一」というのがあった。>NHKニュース

さて,負担軽減が目的というなら,画像の推薦書のように,推薦文を書かずにすむものにしてほしい。
推薦文がすでに印刷されているという理想的なもの。

これは公募推薦のものだが,この大学の指定校推薦書はもっと秀逸で,推薦者全員の氏名と志望学科を,1枚の推薦書に記入するようになっている。つまり,3人推薦するなら,3人を一覧表に記入するだけで,担任は非常に助かった。

公募推薦で落ちるのは,面接や作文・小論文で見るからであり,よいことしか書かない調査書の所見や推薦書で落とすことはないだろう。
定員充足が目的で全員合格なら,画像の推薦書のように推薦文をすでに書いておいてほしい。

落ちることがある「公募推薦」ならまだしも,指定校推薦で推薦書を書かせるのは困ったものだ。
指定校推薦は学校が高校に推薦条件と人数枠を知らせて「条件を満たせば必ずとりますよ」との暗黙の約束のもとに人集めをする推薦である。普通は落ちることがない。
そんな推薦のために担任がせっせと夜なべして作っているのが「推薦書」である。
まぁ,書くことが何もない生徒の場合は,
「あらゆる面で,無限の可能性を秘めた生徒である。」
かな。可能性は万人に共通である。

以前の学校で,指定校推薦で進学した生徒の質が悪くて,
「どうしてこんな生徒を」
と問い合わせがあった。
高校からすれば,推薦制度は「受験機会」の一つ。
どんなにヤバい生徒でも,条件を満たせば全員推薦する。条件を満たしているのに推薦会議で落とせるわけがない。落とす理由を客観的に説明できない。
「こんなヤバいやつ」
という主観的理由で落としたら,人権問題である。そして,推薦文はよいことだけを書き,ヤバい面は微塵も触れない。

以前,進学校にいたころ,国立大医学部の推薦書を書いたことがある。もちろん公募推薦。ものすごい量だったけれど,当然バッチリ仕上げた。まぁ医学部を目指すくらいの生徒なので,圧倒的な学力や大活躍の学校生活などいくらでも書くことがあった。推薦基準は特になかった。どうせセンター試験で学力を見るからであるが,それなら推薦文はもっと簡単でいいと思う。
その学校では,指定校推薦で受ける生徒は学年で1,2名だった。なぜなら大学の推薦基準を満たす生徒にとってその大学は「滑り止め」レベルだったから。指定校推薦を使った生徒が出たときは,「あぁ,これで東大が1人減った」と話題になったw

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